横須賀市社会福祉協議会ボランティアセンターロゴ


よこすかボランティアセンター運営計画(第2章 よこすかボランティアセンターの現状)


1、ボランティアセンター事業の現状
 ボランティアセンターの事業は多岐にわたっています。おおまかに整理すると事業として取り組んでいるもの、他団体の事業に協力し取り組んでいるもの、各種相談の受付や事務連絡などに分かれます。図4はボランティアセンターが受けた相談や問い合わせなどの内容です。
 これらの取り組みはボランティアセンター7名の職員が担っています。詳細は、『ボランティア相談員の皆様へ〜平成18年度活動記録〜』の冊子をご参照下さい。

ボランティアセンター活動内容の表

「No2相談の受付」の詳細
ボランティアセンター活動内容の表の詳細

図4 ボランティアセンター事業にかかわる内容

2、ボランティアセンターの相談の現状について
(1)さまざまな相談が寄せられる現状
 ボランティアセンターは、さまざまなボランティア依頼の相談やボランティア活動希望者の相談を受けています。
 その中には「現状の制度やサービスだけでは解決できない人からの相談」、「活動をしている人たちの悩み相談」などもあり、相談を通じて地域の課題が見えてくることもあります。
 ボランティアセンター職員は、さまざまな人たちからあがる声をニーズとして真摯に受け止め、現状の理解や解決に向けた取り組みへとつなげていくことが必要と考えています。

活動記録から抜粋No1

活動記録から抜粋No2
参考 『ボランティア相談員の皆様へ〜平成18年度活動記録〜』P46・P65から抜粋


(2)ボランティア依頼の相談内容
 ボランティアセンターに寄せられる主な依頼の相談は、「外出介助(付添)」「イベントの手伝」「出演依頼」「施設等手伝」などがあげられます。
 図5「個人からの依頼の相談内容」では、身のまわりの依頼が多く、生活支援も含め、草刈り、木の剪定など環境整備にかかわる依頼など、ひとつの依頼ではなく生活全体を支援する内容となっています。
 その他にも養護学校への通学支援、高台に住んでいる方からの付き添い、通院介助など現行の制度では対応できない相談もあり、ボランティアだけで担える活動かどうかの見極めが必要となっています。今後の課題のひとつと言えます。
 「団体からの依頼の相談内容」の依頼では「外出介助(付添)」が多く、主な内容としては障害のある方の社会訓練のための外出介助となっています。また、最近の傾向としては各施設で行っているイベントの手伝いも増えてきています。団体からの相談はボランティア個々の力を期待しているものと言えます。


個人からの依頼の相談内容(総数63件)
ボランティアの依頼内容(個人)


団体からの依頼の相談内容(総数243件)
ボランティアの依頼内容(団体)

図5 ボランティア依頼内容(市社協ボランティアセンター依頼分)


(3)ボランティア依頼の相談から見えてきたこと
 依頼の相談の多くを占めている外出介助(付添)は定期的で継続的な支援を求めています。外出介助(付添)に限らず、施設等手伝いなど依頼の相談の多くが継続的な活動を希望しており、ボランティア育成とともに継続して続けられるようなボランティア活動を依頼者とともに考えていく必要があります。
 ボランティアセンターではかかわりのひとつとして、ボランティア活動希望者が活動しやすく、また、施設利用者がさまざまな人とかかわれるような「出演・訪問」、「イベントの手伝い」といったボランティア希望者の特技をいかした活動への働きかけを行っています。
 さまざまなボランティアの受け入れは施設、施設利用者のためだけではなく、ボランティア希望者のボランティアを始めたいというきっかけづくりの場ともなっています。


(4)ボランティア活動希望者の相談
 ボランティアセンターでは、ボランティア依頼の相談とあわせてボランティア活動を希望する人の相談を受けています。
 ボランティア活動相談希望者のなかには、明確な目的を持っている方や何をしていいのか分からないけど何か活動をしたい方、資格取得や進路を見据えた活動を行いたい方などさまざまな人たちがボランティア活動を希望し、ボランティアセンターへ相談に来ます。

希望者の相談内容
図6 ボランティア活動希望者の相談内容


(5)ボランティア活動希望者の相談から見えてきたこと
 図7では、10代のボランティア活動希望者が多くを占めていることがわかります。現在の学生は総合的な学習の時間、ボランティアスクールなどで普段からボランティアにふれる機会が多く、ボランティアを身近に感じているように思われます。
 それに対し、50代60代の方は「ボランティア=仕事」、「ボランティア=資格が必要」などボランティアを特別なものとして捉えている傾向があります。
 すべての年代に共通して見られることですが、ボランティア希望者の年代別活動回数をみると、希望者の多くが1回だけ体験的に活動を行っている様子がわかります。

活動希望者の活動回数No1

活動希望者の活動回数No2
図7 ボランティア活動希望者の活動回数
注)この図は活動希望者の相談数です。年間の活動者総数ではありません。


(6)現状からみえてくるボランティアセンターの課題
 ボランティア依頼では、イベントの手伝い、一時保育などの単発的な活動依頼だけでなく、制度の狭間にある方からの依頼、現状の制度では対応できない院内介助や身体介助を含む活動、ある程度の専門知識を持たないとできない活動といったボランティアの範囲を超えた活動の相談もあり、その大半が継続的なかかわりを必要としています。
 一方、ボランティア活動希望者は「休日にできる単発な活動」、「目的を持った活動」、「気軽にできる活動」、「資格取得や進路を見据えた活動」など、多様な思いを持ちながらボランティア活動を希望しています。
 気軽な、あるいは単発のボランティア活動を希望する人と、長期・継続的な活動を依頼する人との思いには差があり、ボランティアセンターの窓口へボランティア活動の希望をしても、ボランティアセンターへの依頼には結びつかないことも多くあります。
さらには、ボランティア活動希望者に増えている、社会的な関わりが持ちづらい当事者といわれる方々の参加をどのようにしていくのかも大きな課題のひとつとなっています。
 これら課題を解決するために、誰もがボランティア活動を通じて、社会的な活動へ参加・参画できるような働きかけとあわせ、これまで行ってきた既存のボランティア活動に関するプログラムを見直し、新たなプログラムづくりの必要性が生じています。  そのため、ボランティアセンターの現状を客観的に把握し、評価・分析をするために組織分析を行い、ボランティアセンターとして取り組むべき事業をまとめました。

3、ボランティアセンター職員が感じている現状
 まず、各職員がそれぞれ仕事を通じて感じていることをレポートとしてまとめ、職員間の共有をはかることから始めました。
 このまとめたレポートの中で、以下の声があげられていました。

 『仕事をしていると、漠然と「社協の役割って何だろう」「ボランティアセンターって何のために必要なんだろう」とか、「どこに向かって進んでいけばいいのだろうか?」などの悶々とした悩みを抱えていた。ことある毎に、いつもこれらの問題(疑問)が湧き上がってきた。みんなが仕事に対しどんなことを考えているのか、どういう将来像を見つめながら、仕事をこなしているのかを共有する場の必要性を感じている』


 これは、ボランティアセンターのビジョンが明確でないこと。そのために個々の職員が自分だけの問題意識で業務を行っていること、そのため職員が個々の業務を抱えこみ、ますます職員の仕事ぶりが見えなくなっていることを表しているものであると考えられます。
 平成20年3月に全社協より出された「社協ボランティア・市民活動センター基本指針」および「社協における第3次ボランティア・市民活動推進5ヵ年プラン」には、「われわれ社協ボランティアセンターが何を使命とし、どのような役割を担っていくか」や「社協組織全体において、ボランティアセンターの使命と果たすべき役割を再確認し、その共通認識の下に事業を推進する体制をつくる」という記載があります。
 この2点に共通している点は、ボランティアセンターは何をするべきなのかを明らかにして、明らかにしたことを職員が共有していくことが大切なのではないかということです。
 まずは、ボランティアセンターが何をすべきなのか。その役割をきちんと位置づけ、分析することが大切であるという結論にいたりました。

(福)横須賀市社会福祉協議会ボランティアセンター(通称:よこすかボランティアセンター)
〒238-0041 横須賀市本町2-1市立総合福祉会館4F
Tel:046-821-1303Fax:046-824-8110
E-mail:shakyo-v@abox22.so-net.ne.jp

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