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災害時要援護者研究会(第6回) 会議記録


平成20年11月25日(火) 18:30〜20:30
県立保健福祉大学 A449(中講義室8) 参加者:19名
1、はじめに

(1)梅田ボランティアセンター所長あいさつ
 今日は知的障害者地域支援ネットワークの方からの課題提起です。知的障害者とのコミュニケーションは、関わっていないと分からない事が多くあります。災害が起きた時や災害が起こる前の知的障害者の対応について「こういうことがあるんだ」という気づきがあると思います。そういう勉強をしてもらえればと思います。よろしくお願いします。それでは、浅羽さん、よろしくお願いします。

2、知的障害者地域支援ネットワークからの課題提起
 「知的障害者が災害時に感じていること、そして自分たちのグループができること」から

■自己紹介
 こんばんは。知的障害者地域支援ネットワークの代表の浅羽昭子(あさばあきこ)です。ざっくばらんにリラックスしてお話をしたいと思います。
 知的障害者地域支援ネットワークの説明については、チラシがあるので今日は割愛させていただきます。では早速、災害時について話をしてきたいと思います。

■災害という状況が理解できないこと
 知的障害者地域支援ネットワークで「安心生活アンケート」を行い、報告書にまとめました。アンケート項目の1つに「災害時についてどんなことを感じているのか」をまとめた内容があります。それが今日の配布資料です。
 まず、災害が起きた時に心配なことは、知的障害者が災害という状況を理解できないということでした。地震があってもベッドから起きだすということをしません。揺れているということが怪我だとかにつながらないのです。経験がないので揺れていることを怖がらないということもあります。机の下に潜るということも、実際には経験したことないので、震度4くらいでは悠々と寝ています。当然、状況が理解できないので危険回避の判断もできません。知的に軽い人なら訓練でできるかもしれませんが、重度だと無理だと思います。
 指示が理解できないということもあります。また、駅などで災害が起きた時に「こちらにきてください」という指示があっても分からないと思います。援助をしてくれる人がいても、はぐれてしまったらどうするのか。駅のアナウンスも何を言っているのかさっぱり分かりません。非常口と言われても理解できないと思います。
 このアナウンスが分からないということでは聴覚障害の人はどうするのかという問題もあります。外見から困っていることが分からないのです。ただ、災害になっても本人は困りません。困るとすれば、いつものように電車が来ないということに困ります。悠然と、次の電車を待っている可能性もあります。そういうような状況なので、自分から助けを求めるということもしません。人に働きかけるということをしないのです。言い聞かせてもそれはとても難しいことです。
 対策としては、まず援護者の確保が大事です。これにはいろいろな方法がありますが、誰もが援助者になってくれたらと思っています。
 先ほどアナウンスの話をしましたが誰もが分かる誘導の方法がないでしょうか。絵とか、手など、音ではなくて動作などで示してもらう方法です。本当に緊急時には力ずくでやるしかありませんが、災害発生時は経験がないので、本人より介護者が混乱すると思います。

■集団生活では支援者の必要性
 避難生活で心配なことは、集団生活が苦手ということです。一般の方はわがままと感じる方がいるかもしれませんが、これは災害時に限らず日常も同じです。一般の方に理解をしてほしいところです。
 もし、避難生活になったら日常から外れることへの不安があります。たとえば、なぜ今ここにいるのか、何で家に帰れないのかが分からないということです。自閉症などはいつものところというのが大事です。そこから外れてしまうことに対して不安や恐怖があります。
 具体的には、知らない人は苦手です。どう接していいか分かりません。初めての場所も苦手です。場所にはとてもこだわりがあって、1対1だとどうにか対応ができると思いますが、大勢の中では何をしていいか分からなくなります。
 騒音と書いてありますが、騒音に限らず、私たちの感じる騒音と知的障害の方が騒音と感じる音は違います。中には暗闇が苦手な方もいます。集団生活は本人も苦手ですが、日常的にもありますが、奇声を発する、大声、多動、それを止めようとするとパニックになります。
 パニックと言うと、自分がどうしていいか分からないという風に思われるかもしれませんが、そのどうしていいか分からない状況を体全体で表します。
 自分を傷つけたり他人を傷つけたりものを壊したりすることもあります。また、集団生活でよくあるのが順番です。この順番という概念を教えるのが大変なのです。なぜ待たなければいけないのか。どうして待てないのか皆さんで考えてほしいと思います。
 また、自分のものと他人のものとの違いが分かりません。避難生活だと、同じ食事になります。もちろん、自分の好きなものを食べられるわけではありません。知的障害の方は日頃から偏食の方が多いので困ると思います。一般の偏食でなく、これは障害から来ているもので大変な問題です。トイレにこだわる人もいます。自宅のトイレ以外では大はしないだとか、よそのトイレには入れないという人もいます。究極の時はどうするのかなと思いますが、友人はデパートなど、いろんなトイレでするように以前から仕向けていて、それで出来るようになったという例がありました。
 本当に困るものは薬です。知的障害の方にはてんかん発作を起こす人がたくさんいます。命にかかわる問題なので、薬は切らさないようにしなければなりません。いろんな薬を飲んでいるので、それが切れたら困ります。

■防災訓練など地域活動への参加
 災害を考える際に、防災訓練に参加することが言われてますが、そこに問題があります。まず、その前に受け入れ態勢を作ってほしいと思っています。大きな声を出したり道をそれたり問題行動がある知的障害者は、町内の方から見れば問題行動となるような行動をとります。
 ただ、本当はそれでも参加してほしいと思っています。中には、災害が起きて突然一時避難所に行くことになっても不安に思いますので、日頃から慣れることが大事という意見もあります。
 一時避難所がダメだったら、今は自分の通っているところが二次避難所となっていますので、そこに行けたらいいと思います。しかし、これは近所ではないことが多いので、行けるかどうかわかりません。
 一時避難所についても、日ごろから慣れることのできる人はそのようにすることもあると思います。それには、少しでも知っている人がいれば心強いと思います。できれば障害特性を知っている支援者の方がいればと思います。
 障害者スペースの確保は、これもわがままと言われるかもしれませんが、お互いが気を使わなくていい方法だと思います。福祉施設や作業所などの二次避難所は様々な問題があります。日頃から慣れている人だけが来るとは限りません。その避難所に来られる人しか行けないので、うまく機能するか分かりません。
 それ以外に、もう1つ知っている場所に避難できたらいいと思います。学校とか日頃、通っている場所にいられればと思います。ここで大事なことは阪神・淡路大震災の時もそうでしたが、特に自閉症の人は体育館など避難所という集団生活の場所は難しい現実があります。余震がありながら自宅にいた方がたくさんいました。自宅の方には支援物資が届かなかったということがあります。実際はいろいろな理由があって、やむなく自宅にいるので自宅への援助も忘れてほしくないと思います。

■防災あんしんカードの活用
 薬の問題ですが、備蓄は横須賀市でやっているとのことです。ただ、自分たちが使っている薬があるかどうかはまだ確認していません。確認したいと思います。今日は持ってきていませんが「防災あんしんカード」というのが知的障害者に配られています。そこに日ごろ飲んでいる薬を書くところがあります。ただ、療育手帳は重度障害者の場合、親が持っています。私の子どもは軽度だが、親が持っています。
 そのため、「防災あんしんカード」をその人が被災した時に避難しているところに置いておくのが良いのではないかと思っています。実際、ケアホームの非常持ち出し袋に安心カードを入れています。いろいろな形で活用できると思います。医師会に確認したら、それをもとに処方することは可能だそうです。


参考)
 「防災あんしんカード」は、障害者の方の障害の特性や服薬状況、所属団体、災害時の避難場所等の必要な情報が記載できるようになっています。障害者手帳にはさみ込んでいつも持ち歩くようにすると、もし災害等にあった場合、記載された情報によって、周囲の人が、支援に当たる場合に役立つものです。三浦半島地区では、横須賀市、鎌倉市、逗子市、葉山町の障害福祉担当課が、この「防災あんしんカード」(鎌倉市は「緊急時あんしんカード」という名称)を障害者手帳取得者や福祉団体に配付しています。地域では、少しずつではありますが、障害者の災害対策の取組みを進めています。

 神奈川県ホームページ(http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/15/1578/kikaku/umikaze/umikaze200709.html)より抜粋


■横須賀市災害時要援護者支援プランで感じること
 11月9日(日)に総合福祉会館で「災害時の要援護者支援について考える〜知的障害者の場合は〜」のシンポジウムを行いました。その中から、いろいろな課題がありましたので話をしたいと思います。
 援護者側から、町内の人が話をしましたが、知的障害についてのどのように接して良いのか全然分からないということを言っていただきました。本当はそのように話をしてくれる人の方がありがたいです。それは、説明できるからです。知的障害者のことなら「少し知ってるよ」と思っている人や、「別に障害があってもなくても同じだよね」と言う人に説明するのはとても大変です。
 もう1つは各町内会で「横須賀市災害時要援護者支援プラン」の推進体制に温度差があるということです。行政がプランの説明に町内会へまわっていますが、積極的な自治会もあれば関心のない自治会もあり非常に不安です。障害者について理解をしようとしている人は良いのですが、理解しようとしない人がいるので困ったと思っています。
 知的障害者は「こうしなさい、ああしなさい」と言われても出来ません。「お母さん何回も言い聞かせてね」とシンポジウムでは言われました。はっきり言ってそれが出来たら苦労はしません。何回も言って分かる人は軽度の障害です。何回言っても出来ないから障害だと思います。
 「横須賀市災害時要援護者支援プラン」には不備があると思います。それは、軽度の人が対象となりにくいことです。市長が認める人という項目もあり、そこに入りますが、自宅とその周辺を対象にしていています。
 軽度の人はいろんなところに行きます。また、グループホームやケアホームは土日に実家に帰る人が多い現状もあります。「横須賀市災害時要援護者支援プラン」は住民票で登録を行うので、自宅に帰ってきたときはどうするのかという問題があります。自宅にいる時も、もちろん援護者は必要です。

■知的障害者地域支援ネットワークでできること
 そこで、私たちができることは、まず当事者として、声を上げていくことが大事だと思います。今伝えたようなことをどんどん発信していくことです。
 また、積極的に「横須賀市災害時要援護者支援プラン」の登録をしようと思っています。登録をして、実際に災害が起きたからその時に援護をしてもらえればいいということではなく、プランを進めていくことで日頃から知ってもらえるチャンスだととらえています。
 日頃から関わってもらって障害特性や困ること、災害時にお願いしたいことを、町内会の方も含め、情報を共有できたらと思っています。
 もう1つ出来ることとして、先ほど「防災あんしんカード」の説明をしましたが、それに関連することとして、安否確認情報ではブログが有効ということがあります。インターネットを活用出来ればと思います。できない方々もおりますが、これから勉強できることでもあると思います。
 次にコミュニケーションボードというツールがあります。今日の資料の裏に災害時のケースを載せました。コミュニケーションボードには何をしたいのかイラストであらわしています。簡単なことであればイラストでも会話が出来るのではないかと思います。これは知的障害に限らず応用できるものもありますので、前回のお話でありました外国人へのコミュニケーションにも役に立つと思います。
 このコミュニケーションボードは横浜市の「セーフティネットプロジェクト横浜」が作っているボードですが、災害時だけでなく色々な場面で活用できるので、ぜひ県立保健福祉大学にボランティアセンターが立ち上がったら置いておいてほしいと思います。
 実はこれと同じような取り組みをどこでもやっていますので、県内だけでも統一してほしいと思っています。まだ皆ばらばらでやっていますので、どのように普及させるのかが課題と感じています。

■まとめ
 災害時要援護者に限らず、皆さんが日常の出来る範囲で知的障害者の理解や援護者になってもらえればと考えています。
 たとえば、「防災あんしんカード」を皆が知っていたらそれはとても心強いことです。実は、医師会と話をしたことがありますが、安心カードを知らない人ばかりでした。活用する人にも分かってもらえないと使えません。1人1人、何ができるかが大事です。私たちの会の名前にもあるように、自分たち1人1人で出来ることは限られていますが、そういう人たちをつないでネットワークにしていくのが仕事だと感じています。



■意見・感想等

1)地域の避難訓練の事例から
 先日、避難訓練を学校で行いました。今回、初めて知的障害の人も参加して訓練を行いました。実際にはいただけで、それが良いのか一概には言えませんが、一緒にいる機会をたくさん作ることが大事だと思います。一緒に一日過ごしてみて、そして知っている人に伝えていくことが大事なのではと話を聞いて思いました。また、理解まで行かないかもしれませんが、受け止めること出来ると思います。奇声を発しても知的障害の特性だと受け止められる人が多くなればと思っています。システムだけでなくて、一人ひとりが受け止められることだと思います。そのためには一緒にいる場や機会を作っていくことが大事だと思っています。
 その訓練は消防署の人が褒めていました。横須賀でも先進的な取組だと言っていました。それでも知的障害者と一緒にいるだけというレベルです。まずは、一緒に行動してみるということだと思います。最初から頭で理解することは無理だと思っており、実際に一緒にやってみることが大事だと思います。その中でお互いに、どの程度理解ができるかということだと思います。中には知的障害の人を理解しようとしない人もいるかもしれませんが、その中でも理解しようとしている人がいると思います。
 私の所属している、横須賀災害ボランティアネットワークでは1月に小学校の体育館で宿泊を行なう避難所体験を実施しますが、できたら泊まり込みは無理だとしてもそばにいるだけでもいいので来てくれればと思います。


2)行政に関わっている人からの感想
 福祉の施策などに携わって25年経ちますが、障害の方々への施策は大変だと思っています。地域に理解のある方が多ければ、障害のある方にとっては暮らしやすい。ただ、温度差があって、すべてのところが受け入れの理解があるところばかりではありません。
 「防災あんしんカード」は、今日のお話で積極的に使われているとのことでした。しかし、一方で使いにくいという声もあります。療育手帳サイズに挟むという使い方ですが、字が小さいのです。若干、大きくしていますがそれでも小さいです。
 また、最大の問題はセキュリティです。情報がそこに書かれているということです。そこでQRコードというのがあり、これを「防災あんしんカード」に使ってバージョンアップできないかと思っています。そこにもセキュリティの問題がありますが、工夫などしながら少しずつ取り組めればと思っています。
 それから、今日のお話は、実際に出てきている問題で明らかに対応しなければいけない問題です。たとえば、薬の話や障害特性の理解などです。それぞれ1人1人が違いますので、十把ひとからげにはできません。細かくやっていく必要があります。個々の力でできること、行政の力でできること、地域の力でできること、当事者の力でできること、それぞれの力をうまく結びつける必要があるのではないかと思っています。
 神奈川では幸いにして大きな災害が起きていませんが、災害に対しては、継続して途切れさせないように取り組んで行こうと思っています。参考になる話がたくさんでした。ありがとうございました。



3)当事者の立場からの感想
 知的障害者の親の思いということで学校教育との関係で伝えたいと思います。私の子どもは、最初地域の学校に入れました。その当時は、特別支援学級がなかったので、普通クラスに入りました。その時に知的に遅れのある方が2人いました。
 学校へは親が付き添いを求められていました。自分の場合は付き添いが出来たのでよかったのですが、子どもは2年になった時に不登校になってしまいました。それで、3年になった時に特別支援学級のある学校へ転校しました。そしたら、不登校はなくなりました。でも、その学校は4年の時に学校が統合されてしまいました。それで、5年の時に前の学校に戻しました。それで、普通級で5、6年過ごせました。地域の人は普通級の時は分かってくれていました。中学の時は特殊学級のあるところでした。通学路は一緒だったので、地域の人もよく知っていました。
 私の子どもはダウン症です。重度の知的障害ですが、人が嫌いという障害ではなくて、人からも迷惑がられるというケースは少なく、その場でいても何とかなってしまうと思います。しかし、人と関わりをもつことを嫌う子どももいます。先の話に戻りますがシステムが整っていないと、排除されてしまうということがあります。
 学校の問題でも、学校側から受け入れられず普通学校には行かれない人もいます。地域で学校生活を送ることがシステムとして出来ていない人もいると思います。
 先日一番下の妹が暗くなって家に帰る途中で、自宅の家の前で携帯を持って話をしている人を見かけました。そしたら、「今やっちゃんの家の前だからもうすぐ家に着く」という声が聞こえたので、私の自宅がランドマークになっているんだと思ったそうです。普通学級に行けていたからだと思っています。


3、各メンバーのディスカッション

1)ディスカッションを通じた要旨
 ディスカッションでは横須賀の中でも地区間での取り組みに差があるという話があげられた。例えば、防災訓練について、ある地域では障害のある方に焦点を当てた訓練をやっており、チラシが配られていて、障害者の参加を受け入れるようなところもあったようである。そういう話が出ない地域もあるとのことであった。一方、あまり地域が活発でないところは行政依存の体質になっており、活動している地域は行政へ提案をしていく体質になっているという意見も出た。
 今回の話から、当事者と地域で支援する方の間に温度差があることが感じられた。支援者は支援したいと思っており、何ができるかを考えているが、それでも当事者との温度差があると思われる。それを埋めるためにはどうしたらいいのかが大きな点になると思う。
 知的障害者といっても1人1人に違いがあり、接してみないと分からない部分がある。まずはそういった事実を知ることが大事なのではないかと思った。自閉症だからと言って「自閉症」というひとくくりで知るのではなく、そのひと「ひとり」を知ることが大事ではないか。
 メンバーからの事例としてアルバイト先の施設で、知的障害の方と地域の方と一緒に防災訓練を行い、避難場所へは10人程度で知的障害の利用者と地域の人とで一緒に行った。
 その事例での成果は、その避難をする時に地域の方と利用者、そして職員との間でコミュニケーションが取れたことであった。地域の方に障害という特性を知ってもらえたこと。さらに、利用者の名前も性格も、そして、どんなことができるのかも知ってもらうことができた。これには、職員も収穫だと感じていましたとのことであった。
 こういった形で、少しずつお互いに歩み寄りの出来るイベントをしていくことが大事ではないか。


2)各グループからでた意見
・個人情報の問題もあるが、災害時の対応は命を守ることを最優先であることをまずは共通の理解とすべきであるのではないか。
・「横須賀市災害時要援護者支援プラン」がはじまるが、支援を必要としている人はまずは登録することが第一歩として始まるのではないか。登録することで、その人の理解や避難についての考えるなど、日常から考えるきっかけが生まれると思う。今後「横須賀市災害時要援護者支援プラン」を具体的に有効にすすめることが大切!!
・要援護者が避難所に行った時に周りにいる人も理解することは前提としてあるが、一般の人もパニックになっている。知的障害の人はもっとパニックになっている。それを親だけで守るのは無理ではないか。地域を知っておりかつ障害について理解のある人をコーディネーターとして配置できないか。
・戦争中、空襲があると防空濠に入ったが、泣く子どもがいると防空壕には入ることができなかった。避難所ではそういうことがあってはならないと思う。排除することではなく受け入れることを考えた地域づくりをしていくことが大切。
・知的障害者の理解があっても、知的障害者の中にはどうしても集団生活ができない人もいる。そのため、避難所のスペースを分けて考えて良いのではないか。例えば行政が分けてしまうなどの施策としてできることもあると思う。あるいは学校の空き教室を優先的にそのような場所にするなど。福祉施設に移ることを考えると応急避難所にいる期間は長い期間ではないのでそのように分けて考えることも必要。
・避難所の中にブルーシートをはることや、ステージの中を使うことや、パネルで敷居をつくるなど、プライベートの空間の確保があれば、要援護者やその他の人たちにも効果的なことではないか。
・行政計画である地域防災計画では応急避難所の場所は決められている。しかし、それ以外の公共施設へ行ってしまっても受け入れを断られることはないので、必要が生じれば公共施設へ行ってしまうのも1つの方法ではないか。
・ディスカッションの中の事例で「避難場所へは10人程度で知的障害の利用者と地域の人とで行動した」とあるように、町内会をより小さい単位で捉えた取り組みも必要ではないか。
・知的障害者にとって、一番良い場所は自宅である。二番目は日中通っている場所。三番目は本人が楽しい場所である。自宅以外の場所に泊まる場合、なぜそこに泊まるかが理解できない。自宅以外であれば楽しい場所という意識がもてるように伝えられれば良いのではないか。


次回は、平成20年12月11日(木)18:30〜県立大学で開催予定
(福)横須賀市社会福祉協議会ボランティアセンター(通称:よこすかボランティアセンター)
〒238-0041 横須賀市本町2-1 市立総合福祉会館4F
Tel:046-821-1303 Fax:046-824-8110
E-mail:shakyo-v@abox22.so-net.ne.jp

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